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zoom RSS 「新しい労働社会」〜濱口桂一郎著、岩波新書〜

<<   作成日時 : 2009/08/07 12:43   >>

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【1-103-090726】〜雇用システムの再構築へ〜という副題が付いているように、現在の日本の雇用劣化を回復させるには、日本の社会システム全体で“雇用とは何か”ということを再定義し、人間が働くということの仕組みを再構築するしか方法がないのではないかと思う。もはや一企業や、一個人がどうにかできる状況ではない所まで追い込まれているような気がする。

著者は官僚から研究者へと活動の場を移しながら冷静に労働問題を議論する土壌を模索している。企業で労働問題にかかわっている人にとって本書は、現代日本の雇用問題の変遷と、現在直面している雇用の危機がどのような構造的問題を孕んでいるかを整理するのに役立つと思われる。その上で、“労働”のあり方を、中長期の観点から根気強く考えることが必要だ。


【読書メモ】

「賃金制度はその社会における働き方の基本構造を形作るものですから、そう簡単に変えることができるものではありません。特に日本の年功賃金制度の場合、それが中高年期の家族の生計費を含めて保障する生活給であるという側面と、若年期にその働きに見合う分以下の賃金しか受け取らない代わりに中高年期にその働き以上の賃金を受け取ることで長期的な決済のバランスを取る一種の企業内再配分的な貯蓄であるという側面がありますから、直ちに職務給に変えるなどということは少なくとも短期的には事実上不可能です。」(p.105)

「つまり正社員の利害を代表する労働組合しか存在しないところで、正社員と非正規労働者との間で賃金原資の再配分を行わなければならないという点に、現代の日本の雇用システムが直面する最大の問題点が存在するのです。」(p.175)

「例えば、現在、経済財政諮問会議には民間議員として経済界の代表二名と経済学者二名のみが参加していますが、これはステークホルダーの均衡という観点からはたいへんいびつです。これに加えて、労働者代表と消費者代表を一名ずつ参加させ、その間の真剣な議論を通じて日本の社会経済政策を立案していくことが考えられます。」(p.210)


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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
池田信夫って「アレ」ですね…

(↓)コメント欄参照
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/2c785fdf87ab3e093029e0601e363952
huhu
2009/08/25 00:40

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