「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」~ブレディみかこ著、新潮社~

【20190929-7-3】日本でしか暮らしたことのない者にとって、考えたことも意識さえもしていない差別問題を、イギリスで暮らす著者がユーモアを交えた絶妙なエッセーとして息子との対話で描き出す世界は、実に興味深くまた大いに考えさせられる。一口に差別と言っても、人種、性、貧困など多様だが、同じ島国であるイギリスと日本ではその人権意識では大きな差があると感じる。特に移民を受け入れていない日本では、まだ多様性からみると鎖国状態にあり、イギリスに比べて外国人は超マイノリティなので、逆に問題をより潜在化させていると思う。人種差別問題が顕在化しているからと言って必ずしも差別が解消されているかというとそうではないのだが、政治経済社会がグローバル化している時代にあって、人権意識の低さは何としても払拭しておかなければならない。そういった点で、イギリスの現実を間にあたりにする本書は、多くの日本人にとって一見に値する。

【読書メモ】

「つまり、シンパシーのほうは、かわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力しなくとも自然に出来る。だが、エンパシーは違う。自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。シンパシーは感情的状態、エンパシーは知的作業と言えるかもしれない。」(p.75)

「この国には様々な人々が住み、様々な文化や考え方を持ち、様々な怒りの表出法をすると長年学んできたはずでも、やっぱり踏んでしまう。」(p.144)

「いまでもやはりPC(ポリティカル・コレクトネス)的によろしくない言葉をポロっと言ってしまうことがある。」(p.195)

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